お守りは複数持ってもいい?神様がけんかしないとされる理由
お守りを複数持つことは差し支えないとされています。日本の神様は「八百万の神」と称されるように数多くの神々が共に働くと考えられており、神様同士がけんかをするという考え方は神道の本来の姿ではない、と一般に説明されています。それでも「お守りの複数持ちはよくない」という話を耳にして、鞄の中のお守りを気にしたことのある方は多いのではないでしょうか。この記事では、複数持ちをめぐる考え方の整理と、数よりも大切にしたい「扱い方」の基本、一年を目安とした区切り方までを紹介します。
お守りを複数持つと神様がけんかする?
お守りを複数持っても神様同士がけんかをするとは考えられていません。八百万の神々はそれぞれの働きを持ち、共に世界を支えていると考えられてきたためです。
お守りを複数持っても神様同士がけんかをする、とは考えられていません。複数のお守りを持つとご利益が打ち消し合う、というよく聞く話は、神道の伝統的な考え方とは異なると一般に説明されています。日本の神様は「八百万の神」と称されるほど数多く、田の神、山の神、水の神と、それぞれの働きを持つ神々が共に世界を支えていると考えられてきました。
実際、日本の神話でも神々は協力して国づくりを進めますし、ひとつの神社に複数の神様が共にお祀りされている例は珍しくありません。出雲大社に神々が集うと伝わる神在月の物語のように、神々が集まり相談するという伝承さえあります。複数の神社のお守りが一緒にあること自体を、神様が嫌うとは考えられていないのです。
この俗説がこれほど広まった背景には、「あれもこれもと欲張るのはよくない」という日本人らしい遠慮の感覚があったのかもしれません。その心遣い自体は美しいものですが、お守りの数を気に病む必要はない、というのが一般的な説明です。
数よりも大切なのは「扱い方」
複数持ちが差し支えないとされる一方で、どのお守りも神様の力の一端が宿るものとして丁寧に扱うことが大切だと伝えられています。鞄の底で埃にまみれている、財布の中で折れ曲がっている、という状態は、数の問題以前に扱いの問題です。
持ち歩くなら、鞄の内ポケットなど定位置を決めて納める。家に置くなら、引き出しの奥ではなく、目線より高い清潔な場所に置く。こうした基本は、お守りが一体でも五体でも変わりません。
お守り袋の中には御神璽が納められており、開けない習わしです。複数のお守りをまとめて持つ場合も、それぞれを袋ごと大切に扱えば十分とされています。
願いごとが違うお守りは、役割の分担と考える
縁結びのお守りと学業のお守り、交通安全のお守り。願いの異なるお守りを併せ持つことも、差し支えないとされています。むしろそれぞれの神様に役割を分担していただいている、と捉えるのが自然な考え方です。
たとえば、縁結びで知られる東京大神宮のお守りと、旅先で受けた土地の神様のお守りが一緒にあっても、何かが損なわれるとは考えられていません。大阪のサムハラ神社の御神環のように、授かること自体がご縁とされるお守りもあり、手元に届いたお守りひとつひとつが、それぞれの神社とのご縁の記録になります。
ただし、数が増えるほど一体ずつへの気持ちは薄まりがちです。「いま自分が本当に願っていることは何か」を考えて、身につけるお守りを絞り、残りは家で丁寧に保管する、という持ち方も落ち着いた選択です。
一年を目安に、感謝して区切る
お守りは、一年を目安に授かった神社の納札所へ感謝とともにお返しし、新しく受け直すのがよいと広く伝えられています。複数のお守りを持っている場合も同じで、年の変わり目や祈願の節目にまとめて区切りをつけます。遠方の神社のお守りは、近くの神社で受け付けていただける場合もありますが、他社のお守りの扱いは神社によるため、納札所の案内に従ってください。
複数持ちで大切なのは、増やしっぱなしにしないことです。一年に一度、手元のお守りを並べて、この一年を守っていただいた感謝を思い返す。その時間そのものが、お守りとの何よりの付き合い方になります。
よくある質問
Q. お守りを複数持つと神様がけんかしませんか。A. けんかをするという考え方は神道の本来の姿ではない、と一般に説明されています。日本の神様は八百万の神と称されるように数多くの神々が共に働くと考えられており、複数持ちは差し支えないとされています。
Q. 違う神社のお守りを一緒に持ってもよいですか。A. 差し支えないとされています。願いの異なるお守りは、それぞれの神様に役割を分担していただいていると捉えるのが自然な考え方です。
Q. お守りは何個まで持ってよいのですか。A. 数の決まりはありません。ただ数が増えるほど一体ずつへの気持ちは薄まりがちなので、身につけるものを絞り、残りは家で丁寧に保管する持ち方もすすめられています。
Q. 複数のお守りはどうやって返納しますか。A. 一年を目安に、授かった神社の納札所へ感謝とともにお返しするのが基本とされます。遠方の場合は近くの神社で受け付けていただけることもありますが、他社のお守りの扱いは神社によるため、案内に従ってください。


