御祭神から神社をさがす
お参りしたい神様から、まつられている神社を探せる御祭神インデックスです。 それぞれの神様の神話での役割と、むすひ手帖掲載のお社をまとめました。
イザナギの禊で左目から生まれ、高天原を治めるよう委ねられたと『古事記』が伝える太陽の女神です。皇室の御祖神として伊勢神宮の内宮にまつられ、日本の総氏神的な存在として仰がれてきました。弟の素戔嗚尊の乱暴を嘆いて天岩戸に籠もり、世界が闇に閉ざされたという天岩戸神話の主人公としても知られています。のちに孫の瓊瓊杵尊を地上へ遣わす天孫降臨を命じたと語られ、光と生命、そして稲の実りの源として、全国で広く信仰されてきました。
衣食住とあらゆる産業を司ると伝わる食物の女神で、伊勢神宮の外宮にまつられています。天照大御神が伊勢に鎮まったのち、そのお食事を司る御饌都神として丹波国から迎えられたと伝えられ、内宮とともに両宮そろっての参拝が古くから重んじられてきました。日々の糧を恵み、暮らしの土台を支える神様として信仰され、産業や商いに携わる人々からも仰がれています。豊かさをあらわす「豊」を名に負う神様です。
『古事記』の冒頭、天地の初めに高天原へ最初に現れ、やがて身を隠したと語られる造化三神の一柱です。天の中央にあってすべてを主宰する主を意味する名を持ち、宇宙の根源を指し示す神格と解されてきました。姿かたちを語られない抽象的な神ですが、近世以降は北極星や北斗七星をまつる妙見信仰とも習合し、天の中心にあって揺るがぬ存在として親しまれてきました。物事の始まりや中心を定める祈りと結びつけられています。
造化三神の一柱で、名前に万物を生み育てる力「産霊(むすひ)」を負う神です。天孫降臨の場面では天照大御神と並んで神々に指令を下し、地上へ降る瓊瓊杵尊を支えたと『古事記』に記されます。知恵の神である思金神の親神ともされ、天上の政を取りしきる中心的な神格として描かれます。生成のはたらきそのものを司ることから、人と人、物事を結び合わせる縁結び信仰の淵源にも位置づけられてきました。
造化三神の一柱で、高御産巣日神と対をなす産霊(むすひ)の神です。『古事記』では、兄弟神に殺された大国主神を、遣わした二柱の女神によって蘇らせたと語られ、また自らの指の間からこぼれ落ちたという少名毘古那神を大国主神のもとへ送り出して国造りを助けます。こうして出雲の神話に寄り添って命を生み、傷ついたものを立て直すはたらきを担い、生成と再生を司る神として信仰されてきました。
多くの試練を乗り越えて国造りを成し遂げ、天つ神への国譲りののちに目に見えぬ世界を司ることになったと『古事記』が伝える出雲の大神です。少名毘古那神らの助けを得て葦原中国を整え、数多くの別名を持つことでも知られます。神仏習合のなかで「だいこくさま」として親しまれ、人の力の及ばぬ縁を結ぶ縁結びの神として全国から信仰を集めてきました。ここでいう縁は男女に限らず、人・仕事・土地とのあらゆる結び付きを指すとされています。
三輪山に鎮まると伝わる国造りの神で、『古事記』では、大国主神が国造りに悩むとき、海を照らしながら現れて自らを三輪山にまつるよう告げ、その完成を助けたと語られます。一説には大国主神の和魂、すなわち和やかなはたらきをあらわす分身とも伝えられます。酒造や医薬、疫病鎮めや商売繁盛の神として信仰され、大神神社を代表とするお社、また「こんぴらさん」で親しまれる金刀比羅宮の御祭神としても仰がれてきました。
イザナギの禊で鼻から生まれた三貴子の一柱で、高天原で乱暴を働いて姉の天照大御神を天岩戸に籠もらせた一方、地上に降っては八岐大蛇を退治して櫛名田比売を救ったと『古事記』が伝える神です。荒ぶる面と英雄的な面をあわせ持ち、大蛇の尾から得た草薙剣を天照大御神に献じたとも語られます。厄除けや開運の神として信仰され、出雲の須佐神社や各地の祇園社にまつられ、熊野本宮大社の家都美御子大神も、この神と同一視される説が伝わります。
『日本書紀』の一書にただ一度だけ登場し、黄泉の国から逃げ帰ったイザナギと、追ってきたイザナミが黄泉平坂で言い争う場面で、二神の間を取りもって何ごとかを申し上げたと伝わる女神です。その言葉の中身は記されませんが、「くくり」の名は乱れた縁を括り結ぶ意に通じると解され、和解と縁結びの神として信仰されてきました。加賀の白山を御神体とする白山信仰と結びつき、白山比咩神社では白山比咩大神としてまつられています。
イザナミとともに天の神々から国土を修め固めるよう命じられ、日本の島々と数多くの神々を生んだと『古事記』が伝える男神です。火の神を生んで亡くなった妻を追って黄泉の国へ下りますが、変わり果てた姿に驚いて逃げ帰り、その穢れをすすぐために行った禊から、天照大御神・月読命・須佐之男命の三貴子が生まれました。国生みと神生み、そして祓いの原点に立つ神として、生命の始まりを司る存在と仰がれています。
イザナギとともに国土を生み固め、山や海、風や木など万物の神々を次々と生んだと『古事記』が伝える女神です。火の神を生んだことがもとで身を焼かれて亡くなり、黄泉の国へ去って死者の世界に関わる神格となったと語られ、生と死の両面をあわせ持つ神として描かれます。国土と数多の神々を生み出した母神であることから、縁結びや安産、子授けの信仰とも結びつき、夫神とともに夫婦和合の神としても仰がれてきました。
国譲り神話で天照大御神の命を受けて出雲へ降り、剣の切先に座して大国主神と交渉し、その子・建御名方神との力比べを制して国譲りを成し遂げたと『古事記』が伝える武神です。のちの神武東征では、危機に陥った一行のもとへ霊剣布都御魂を降して救ったとも語られます。武道・決断・勝負の神として古来、朝廷と武家の崇敬を集め、常陸国の鹿島神宮の御祭神として知られ、旅立ちを意味する「鹿島立ち」の言葉の由来にもなっています。
『日本書紀』で武甕槌神とともに葦原中国の平定を担い、出雲へ降って国譲りを実現したと伝わる武神で、下総国の香取神宮の御祭神です。「フツ」は物を断ち切る鋭い音をあらわすとされ、剣そのものの威力を神格化した神とも解されてきました。武甕槌神と対をなす存在として鹿島・香取の両宮に並びまつられ、古来、朝廷や武家から篤く崇敬されてきました。勝負事や人生の節目の決断を後押しする神として信仰されています。
道の分かれ目や境に立って外から来る災いの侵入を防ぎ、進むべき方向を照らすと伝わる「みちひらき」の神です。イザナギが黄泉の国から帰る際、追う者を遮るために投げた杖から生まれたとも伝えられ、境界をまもる性格を持ちます。国譲り神話では武甕槌神らの東国平定を先導したとも語られ、水運の要にある東国三社の一社・息栖神社の主祭神としてまつられています。転機の後押しや厄除け、道中の安全を願う祈りを受けとめてきました。
天孫降臨の際、天と地を結ぶ道の分かれ目に立ち、進む道を照らしながら瓊瓊杵尊の一行を高千穂へと先導したと『古事記』が伝える国津神です。鼻が長く背が高い異形の姿で描かれ、地上をよく知る道案内の神として仰がれてきました。物事を良い方向へ導く「みちひらき」の神として、新しい挑戦や転機の参拝先に選ばれます。のちに天宇受売命と結ばれたとも伝えられ、伊勢の猿田彦神社や鈴鹿の椿大神社が代表的なお社です。
天岩戸の前で桶を踏み鳴らして舞い、その姿に八百万の神々がどっと沸いたことで、外の様子を訝った天照大御神が岩戸を開き、世界に光が戻るきっかけを作ったと『古事記』が伝える女神です。この神がかりの舞から芸能の祖神とされ、俳優や舞踊、音楽など表現に携わる人々の信仰を集めてきました。天孫降臨では道をふさぐ猿田彦大神と臆せず向き合ってその名を問い、のちに連れ添ったとも伝えられ、縁結びの神としても仰がれています。
天岩戸神話で、閉じ籠もった天照大御神をどう連れ出すか、八百万の神々に代わって深く思いをめぐらし、岩戸開きの一部始終を計画したと『古事記』が伝える知恵の神です。高御産巣日神の御子とされ、多くの神々の思慮を一身に兼ね備えるという意の名を持ちます。天孫降臨に際しても神々の相談役として登場します。学業成就や仕事の知略、勝負どころの一手を願う参拝先として、秩父神社や信濃の戸隠神社中社などで仰がれてきました。
天岩戸神話で戸のかたわらに隠れて待ち、細く開いた岩戸のすきまから天照大御神の御手をそっと取って、力強く外へ引き出したと『古事記』が伝える怪力の神です。このとき投げ捨てた岩戸が、はるか信濃へ飛んで戸隠山になったという伝承を持ち、戸隠神社奥社の御祭神としてまつられています。天孫降臨にも随伴したと語られ、あり余る力を象徴する神として、スポーツの上達や、行き詰まりを打ち破る困難突破の祈りと結びつけて信仰されてきました。
山の神・大山祇命の娘で、天孫瓊瓊杵尊に見初められて妻となったと『古事記』が伝える、桜の花のように美しい女神です。一夜で身ごもったことを疑われ、それを晴らすために火を放った産屋の中で無事に御子を生んだ物語から、安産や子育て、火難除けの神として信仰されてきました。咲き誇ってやがて散る桜にたとえられる花の女神であり、富士山を御神体としてまつる全国の浅間神社の御祭神として、広く仰がれています。
山々を司ると伝わる山の神々の親神で、イザナギ・イザナミの間に生まれたと『古事記』が語ります。木花咲耶姫命と、その姉の石長比売の父神でもあり、天孫瓊瓊杵尊に二人の娘を嫁がせた神としても知られます。山そのものだけでなく、そこから生まれる水や木、田を潤す恵みにも関わるとされ、林業や農業、鉱業などあらゆる生業の守り神として信仰されてきました。富士山麓の新屋山神社では「金運神社」の通称でも親しまれています。
天照大御神と素戔嗚尊が身の潔白を証すために行った誓約から生まれたと『古事記』が伝える三柱の女神、田心姫神・湍津姫神・市杵島姫神の総称です。大陸へ通じる海の道を守るよう天照大御神に命じられ、玄界灘に浮かぶ沖ノ島などにまつられ、宗像大社を総本社として海上安全の神として仰がれてきました。なかでも市杵島姫命は神仏習合の時代に弁財天と重ねられ、水や芸能、財、才能を授ける神として全国の弁天社で信仰されています。
水を司る龍神として、箱根の芦ノ湖や信濃の戸隠の地で古くから信仰されてきた神です。人々を苦しめていた荒ぶる龍が、高僧の祈りや神威によって鎮められ、以後は土地と人々を守る善神になったという伝承が各地に残ります。戸隠では地主の神として、九つの頭を持つ龍の姿で語り伝えられてきました。雨をもたらし作物を潤す水の恵みの神であり、また流れが人と人を引き寄せることから縁結びの神としても親しまれ、月次祭の参拝でも仰がれています。
水の供給を司ると伝わる龍神で、山の高い峰にいるものを高龗神、谷の暗い底にいるものを闇龗神と呼び、対で語られることの多い神です。『古事記』では、イザナギが火の神を斬ったときに、その体から生まれた神々の一柱として登場します。古くから雨を願う祈雨、長雨をやめる止雨の祈りを受けとめ、京都の貴船神社や大和の丹生川上神社など、水源をまもる古社にまつられてきました。滞りを流し、めぐりを整えたいときに参りたい水の神様です。
大国主神の御子で、国譲りを迫る武甕槌神に対して力比べを挑んだものの敗れ、諏訪の地まで逃れてそこに留まったと『古事記』が伝える神です。以後、諏訪を離れないことを誓ってその地に鎮まり、諏訪大社の御祭神となりました。風と水を司って田畑を潤す農耕の神として信仰される一方、その力強さから狩猟や武勇の神としても仰がれ、勇壮な御柱祭で知られる諏訪信仰は全国の諏訪神社へと広がっています。
天照大御神の孫にあたり、祖母から地上の統治を委ねられて、八咫鏡・草薙剣・八尺瓊勾玉の三種の神器を携え、日向の高千穂へ降り立ったと『古事記』が伝える天孫降臨の主人公です。道中では猿田彦大神の先導を受け、地上では木花咲耶姫命を妻に迎えたと語られます。稲穂がにぎわい実るさまを名に負うとされ、皇室の祖につながる神として霧島神宮などにまつられ、五穀豊穣や国土安泰の祈りと結びついてきました。
第十二代景行天皇の御子として記紀に語られる英雄で、父の命を受けて西の熊襲、東の蝦夷を平定する遠征を重ねたと伝わります。伊勢神宮で草薙剣を授かり、火攻めの難を剣で草を薙ぎ払って逃れた物語などで知られ、各地の山河を平らげた足跡が神社の由緒として残ります。困難に立ち向かう力の象徴として信仰され、東征の折に山の神の祟りを鎮めたと伝わる秩父の三峯神社や、宝登山神社の創祀の物語にも登場します。
海の彼方から蛾の皮の衣をまとい、小さな船に乗って現れて、大国主神とともに国造りを進めたと『古事記』が伝える小さな神です。神産巣日神の指の間からこぼれ落ちた御子とされ、大国主神と力を合わせて国土を整えたのち、常世の国へ渡っていったと語られます。医薬や温泉、酒造、まじないの神として信仰され、体の小ささにもかかわらず知恵と技術で人々の病を癒し、暮らしを豊かにした神様として各地で仰がれてきました。
鉱山と金属を司ると伝わる神々で、金山彦命と金山姫命の二柱が並びまつられます。『古事記』では、火の神を生んで苦しむイザナミの体から生まれた神とされ、鉱物が熱で溶けて金属になるさまと重ねて語られてきました。金属の精錬や鍛冶に関わることから、和同開珎ゆかりの秩父の聖神社や、黄金産出の伝承を持つ牡鹿半島の金華山黄金山神社にまつられ、金運や産業発展の祈りを受けとめてきました。お金の来歴に思いを馳せながら参りたい神様です。
第十五代応神天皇を神格化した神と伝えられ、母の神功皇后や比売神とともに、全国に数多く鎮座する八幡宮・八幡神社にまつられています。古くは海の彼方や大陸との関わりを持つ神として現れ、平安時代に源氏が氏神と仰いだことから武運の神として武家の広い崇敬を集めました。のちには厄除けや子育て、国家鎮護の神としても信仰が広がり、稲荷社と並んで全国で最も数の多い神社の一つとなっています。総本宮は豊前国の宇佐神宮です。
平安時代に右大臣まで昇った学者・政治家で、優れた漢詩文と誠実な人柄で知られましたが、罪を得て大宰府に左遷され、その地で亡くなりました。没後に都で相次いだ天変を鎮めるために天満天神としてまつられ、「天神さま」として全国の天満宮で仰がれています。生前の学識にちなんで学問の神とされ、受験や資格試験の祈願で親しまれるほか、至誠を貫いた人物として信仰されてきました。大宰府にまつられた太宰府天満宮は、その代表的なお社です。
海を司る綿津見神の娘で、姉の豊玉姫命に代わって甥を養育し、やがてその妻となって、のちに初代・神武天皇となる御子を生んだと記紀が伝える女神です。「タマヨリ」は神の霊が宿り依りつく依り代を意味するとも解され、神と人とを結ぶ巫女的な神格として語られてきました。縁結びや安産、子育ての神として信仰され、京都の下鴨神社や、女性の願いを一つかなえると伝わる鳥羽の石神さん(神明神社)などでまつられています。