鳥居の意味と種類|神明鳥居と明神鳥居の違い・くぐり方の作法

鳥居とは、神社の神域と日常の世界とを分ける境界に立つ門のことで、ここから先が神様の領域であることを示す結界の印とされています。形は大きく分けて、直線的で簡素な「神明鳥居」の系統と、上部の笠木が反り上がり装飾を持つ「明神鳥居」の系統の二つがあり、全国の鳥居の多くはこのどちらかの流れをくむとされます。この記事では、鳥居の意味と名前の由来、二系統の見分け方、朱色に込められた意味、そしてくぐるときの作法までを順に紹介します。

鳥居は神域への門|名前の由来には諸説ある

鳥居は、神社の入り口に立ち、その内側が神様の鎮まる神域であることを示す門です。参拝者は鳥居をくぐることで、日常の世界から祈りの場へと足を踏み入れることになります。社殿を持たない古い信仰の場でも、鳥居だけが立てられている例があり、鳥居そのものが「ここは聖域である」という印として機能してきました。

「鳥居」という名前の由来には諸説あります。天照大御神が天の岩戸に隠れた際、神々が鶏(常世の長鳴鳥)を木に止まらせて鳴かせたという神話にちなみ、鳥の止まり木「鳥居木」に由来するという説がよく知られています。ほかに「通り入る」が転じたとする説などもあり、定説はないとされています。

起源についても、日本古来のものとする説、大陸からの影響を指摘する説などがあり、はっきりとは分かっていません。分からないほど古くから、日本人は鳥居をくぐって神様に会いに行ってきた、ということでもあります。

神明鳥居と明神鳥居|二つの系統の見分け方

鳥居の形式は数十種類に分類されますが、大きくは二つの系統に整理できます。ひとつは「神明鳥居」の系統で、二本の柱の上に一直線の笠木を渡しただけの、簡素で直線的な形です。伊勢神宮の鳥居に代表され、古い形を伝えるとされています。

もうひとつは「明神鳥居」の系統で、いちばん上の笠木の下に島木と呼ばれる横材が加わり、笠木の両端が空へ反り上がる、曲線的で装飾性のある形です。全国の神社で最も広く見られる形式で、朱塗りの鳥居の多くはこの系統です。額束と呼ばれる中央の額を掲げる部分があるのも明神系の特徴です。

変わり種として、奈良の大神神社には、明神鳥居の左右に小さな鳥居を組み合わせた「三ツ鳥居(三輪鳥居)」が伝わります。本殿を設けず三輪山そのものを御神体とする古い信仰の形とともに、鳥居の奥深さを物語る例とされています。

朱色の鳥居と、連なる千本鳥居

鳥居といえば鮮やかな朱色を思い浮かべる方も多いでしょう。朱色は古来、魔除けの色とされてきたと伝えられ、また原料の丹(水銀朱)には木材の防腐の働きもあったことから、社殿や鳥居に用いられてきたと説明されています。一方、伊勢神宮のように素木のままの鳥居も多く、色の有無はその神社の伝統によります。

京都の伏見稲荷大社では、願いが「通る」ように、また通ったお礼にと鳥居を奉納する習わしが江戸時代以降に広まったと伝えられ、稲荷山の参道には数千本ともいわれる朱の鳥居が連なっています。千本鳥居は、一本一本が誰かの祈りと感謝の形であり、鳥居が「祈りの奉納物」でもあることを教えてくれます。

鳥居のくぐり方の作法

鳥居をくぐるときは、その前で立ち止まり、軽く一礼してから境内に入るのが丁寧な作法とされています。帽子を被っている場合は外すとより丁寧です。参道の中央は神様の通り道「正中」とされるため、鳥居も中央を避け、左右どちらかに寄ってくぐるのが慣わしです。

複数の鳥居がある神社では、外側の一の鳥居から順にくぐっていくのが丁寧とされますが、時間や体力に応じて構いません。帰りに鳥居を出たら、社殿のほうへ向き直って一礼すると、参拝の締めくくりとして美しい所作になります。

作法の細部よりも大切なのは、鳥居が「ここから先は神様の場所」という印だと知っていることです。それを知ってくぐる一歩は、知らずに通り過ぎる一歩と、確かに違うものになるはずです。

よくある質問

Q. 鳥居はなぜ「鳥居」と呼ばれるのですか。A. 諸説あり定説はないとされています。天の岩戸の神話で鶏を止まらせた木「鳥居木」に由来する説や、「通り入る」が転じたとする説などが知られています。

Q. 神明鳥居と明神鳥居はどう見分けますか。A. 笠木が一直線で簡素なものが神明系、笠木の下に島木が加わり両端が反り上がる装飾的なものが明神系です。伊勢神宮の鳥居は神明系、朱塗りの鳥居の多くは明神系とされます。

Q. 鳥居をくぐらずに脇から入るのは失礼ですか。A. 車いすやベビーカーなど事情がある場合はやむを得ず、失礼にはあたらないと考えられています。可能であれば鳥居の前で軽く一礼してから境内に入るのが丁寧な作法とされています。

Q. 鳥居はなぜ朱色なのですか。A. 朱色は古来、魔除けの色とされてきたと伝えられ、原料の丹には木材の防腐の働きもあったと説明されています。一方で素木のままの鳥居も多く、色はその神社の伝統によります。

本記事は神社の由緒・一般的な参拝作法・古典に基づいて構成していますが、 ご利益や効果を保証するものではありません。悩みが深いときは、 信頼できる人や専門機関に相談することも大切にしてください。